サイフォンとコレスゴールドフィルターの飲み比べ

5月15日まで、

スペシャルティコーヒーの魅力を、二つの角度から体感していただけるよう、サイフォンとコレスゴールドフィルターで抽出したコーヒーを飲み比べてお愉しみいただけます。

 

それぞれの味の違いを一言でいうと

  • サイフォン: あっさり、爽やか、鮮やか

サイフォン抽出中

  • ゴールドフィルター: コク、複雑さ、重厚

コレス抽出中

という印象です。

ラーメンでいうと サイフォンは「あっさり」、金属フィルター「こってり」といった感じです。

2名様で同じ銘柄を、ご注文いただきますと、サイフォン、金属フィルターそれぞれで抽出して飲み比べ用のデミタスカップでご提供いたします。

同じ豆でも、抽出方法の違いで表情が変わるのを体験していただけると思います。

ぜひ、お試しくださいませ。

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サイフォンコーヒー / 使い方とその魅力

ペーパードリップやフレンチプレスでご家庭でもレギュラーコーヒーを淹れられる方が増えてきましたが、意外に興味を持たれる方が多いのがサイフォンです。

当店でも「サイフォンで淹れるとどんな味になるのですか?」とか「サイフォンの抽出は安定性が高いと聞いたのですが。」と尋ねられる方がよく来られますので、

サイフォンについて簡単に説明します。

コーヒーの抽出方法は大きく分けて

  • 透過式(ペーパードリップ、ネルドリップ、エスプレッソなど)
  • 浸漬式(フレンチプレス、漬け置きの水出しなど)

に分かれますが、サイフォンは浸漬式の器具になります。

フレンチプレスの仲間ですが、サイフォンの大きな違いは浸漬中も加熱状態にあることと、ただ漬け置くだけでなく撹拌を行い抽出することです。

加熱しながら抽出することと撹拌することで、抽出にかかる時間が短縮できます。

(抽出時間はフレンチプレスだと3~4分ですが、サイフォンだと10から45秒です)

高温度帯で出現する香りをより多く取り出すことができ、また時間とともに薄れていってしまう香りの取りこぼしも少ない抽出方法です。

味わいの方はすっきりとした後口の、爽やかなコーヒーの仕上がります。軽やかな明るい酸と香りを愉しむのには良い抽出方法だと思います。反面、コクや複雑な甘さなどをしっかり取り出したい場合はサイフォンよりも抽出時間が長い器具の方が適していると思います。

抽出の安定性ですが、特にサイフォンが高いということもないと思います。

というのは、一般的にコーヒーの抽出は手数が少ないほど安定します。

例えばフレンチプレスは、豆の挽き方と量、お湯の温度と抽出時間をしっかり合わせればかなり高精度に抽出の出来上がりを再現できます。しかしペーパードリップは前述の要件の他に注ぎのスピードや均一性などの要件が加わってきますので、しっかり練習しないと何度淹れても同じ味わいになるという再現性は不安定になってきます。

ではサイフォンはどうかというと、豆の挽き方と量、お湯の温度と抽出時間の他に撹拌という工程が入り、また抽出時間が短いので手早く正確に作業することが必要になってきます。

浸漬式は比較的再現性の安定感が高い方法ですが、サイフォンは少し慣れが必要です。

逆に慣れてしまえば、安定感は格段に上がります。

 

基本の使い方

今回は1杯分140mlを淹れています

材料

  • コーヒー豆(中挽き)15g
  • 湯160ml

作業手順

  1. しっかり下ボール(フラスコ)で湯を沸騰させる
  2. 濾過器をつけて湯通しした上ボール(ロート)にコーヒー粉を入れて下ボール(フラスコ)に差し込む

    お湯が上がった直後のロート内

    お湯が上がった直後のロート内

  3. 湯が上ボール(ロート)にあがったら撹拌する(混ぜすぎずしっかりガスを抜くことがポイント)

    一度目の撹拌後のロート内

    一度目の撹拌後のロート内

  4. 10秒から45秒置く。(水面が静止するように注意する)
  5. 熱源から離して再度撹拌する(濃度を均一にして、コーヒー粉に残っている成分を溶かし出すイメージで)
    二度目の撹拌後のロート内

    二度目の撹拌後のロート内

    二度目の撹拌がうまくいくと、抽出滓がドーム型になり、下から大きい粉、小さい粉、微粉、ガスの層になります。

抽出後のロート内

抽出後のロート内

 

今回使用した器具

BONAMC ゴールドサイフォン TCA-2GD-BM

BONAMC サイフォン TCA-2GD-BM

 

*ご家庭で使われる場合の熱源はアルコールランプでも可能ですが、火力調整ができるビームヒーターをおすすめしています。

サイフォン+ビームヒーター

サイフォン+ビームヒーター

 

今回使用した豆

ラヴニール ハウスブレンド

ラヴニール ハウスブレンド

 

*個人的な考察ですので、器具を選ばれる際は相性の良いものをお使いください

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香り高いコーヒーを淹れる / エアロプレスの高温短時間抽出

スペシャルティコーヒーの魅力の一つは素晴らしい香りです。

コーヒーを評価では、

  • 鼻から感じる香り=アロマ
  • 口に含んだ時に鼻に抜ける香り=フレーバー

と区別しますが、

この抽出方法は特にアロマが際立ちます。

 

コーヒーの香りについてですが、

高温で抽出すると香りは鮮やかに立ち上がります。

香りは時間が経つにつれて薄れていきます。

よって香りを愉しむには高温短時間の抽出が理想的です。

 

 

エアロプレスという抽出器具ですが、

実は色々な使い方ができます。

コーヒーの抽出器具は大きく分けると、

  • 透過式(ペーパードリップ・エスプレッソなど)
  • 浸漬式(フレンチプレス・サイフォンなど)

に分かれますが、エアロプレスはどちらの方法でも使える便利な器具です。

今回は浸漬式で使用しています。

また、注射器のような形状をしているので浸漬状態のコーヒー液を押し出すタイミングやスピードを加減することで、ペーパードリップなどでは難しい抽出にかける時間もある程度コントロールできます。

今回は エチオピア イルガチャフィーG1セレクションを淹れました。

みかんの写真

日本のみかんのように甘みと重なった爽やかな酸と、みかんの皮をむくときにひろがる柑橘の香りが鮮やかに現れました。

 

 

レシピ

  1. プランジャーをひと目盛分差しこんで、逆さまにしたエアロプレスにコーヒー粉を入れる
  2. 沸騰させたお湯を手早く注ぎ、スプーンなどで撹拌する。
  3. ソーサーなどで蓋をして30秒置く
  4. 再度撹拌してフィルターをセットして手早くプランジャーを押し込んで抽出する

材料

  • コーヒー豆 中細挽き・15g
  • お湯(沸騰させてそのまま注ぐ) 160ml
  • 出来上がり量 140ml

 

使用した器具

使用したコーヒー

エチオピア イルガチャフィーG1セレクションの写真 エチオピア イルガチャフィーG1セレクション

*個人的な考察ですので、器具を選ばれる際は相性の良いものをお使いください。

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コーヒーをエージング / 無酸素状態で一年半

コーヒーのエージングについてです。

まずコーヒーの風味を悪くする原因に酸化がありますが、

今回は酸化以外の風味の変化に着目した検証です。

無酸素状態で密封したパッケージの写真

写真は 2014年6月20日焙煎のエチオピア・イルガチャフィーです。

焙煎後すぐに酸素と二酸化炭素を吸着するコーヒー専用の鮮度保持剤を入れて蒸着しておいたものです。

写真では真空パックにしてあるように見えますが、鮮度保持剤で酸素と二酸化炭素が吸着されてこのような形になったものです。

これで酸化以外のエージングによる風味の変化を検証していきます。

 

 

これを焙煎から10日間、密封瓶にいれて保管したものとカップテストで比較していきます。

左が焙煎したての豆、右がエージングした豆の写真

外観ですが特にオイルが浮いてきている訳でもなく見た感じの違いはありません。

(右側が2014年6月焙煎のもの)

 

挽いて粉にした時の香りは

2014年焙煎の豆は焙煎後10日のものと比較して

香りがかなり詰まっている印象で、強く、重たく、複雑。

焙煎後10日のものはやさしくて比べると軽い印象。

意外でした。

同じエチオピアの豆ですが、2014年焙煎のものはケニアの風味に近い印象の

ジャスミンやグレープフルーツを連想する香りで、

焙煎後10日のものはマンダリンオレンジやハチミツを連想する香りです。

 

それぞれの豆を挽いてカップに入れてお湯を注いだ写真

次に粉にしてお湯を注いだ状態の写真です。

(右側が2014年6月焙煎のもの)

 

深く焙煎していないのでもともとそんなにガスは出ないのですが、焙煎後10日置いたものと比べても特に違いはありません。

 

そしていよいよカップテストです。

点数で違いをつけるほどではないですが、フレーバー(お湯を注いだ後の香り)も2014年焙煎の方が複雑で力強く、良い印象。

しかし酸の質では、2014年焙煎のものは明るくて複雑ではあるのですが、舌に突き刺さるような鋭い印象で評価が落ちます。

焙煎後10日の方は複雑さでは劣りますが、甘みを伴った柔らかい酸でこちらの方が好印象です。

口に含んだ質感は2014年焙煎の方は、ざらつきを感じる粗い印象です。

焙煎後10日のものは、丸い口当たりで後口が長くやさしい印象です。

甘さは焙煎後10日のもののほうが際立っています。

2014年焙煎のものは、バランスでは複雑でボリュームのある香りは魅力的なのですが 、酸の鋭さが際立ちすぎて偏った印象です。

焙煎後 10日のものは甘さが全体をまとめてエチオピアの柑橘系の酸が映えてバランスの良い味わいです。

 

全体的にみると2014年焙煎のものは香りは魅力的で力強いですが、後口に劣化が見られ温度が下がるとそれが際立ってきました。

10日前焙煎のものは、最初の香りの印象は比較すると弱くて地味な印象でしたが、甘さが全体をまとめてエチオピアの魅力である柑橘系の香りと酸が心地よく感じられました。

2014年焙煎のものはカップテストの点数では10日前焙煎のものと比べて100点満点で6点低く、原因は鋭い酸で全体のバランスが崩れていることと、口に含んだ時のざらつき感によるものです。

しかし香りだけをとると点数上には表れてこないものの2014年焙煎のほうが魅力的でした。

それぞれの豆をカップテストしている写真

 

結果は「こうなるはず」で終わらせず、実際に検証して体験してみるとおもしろいことがたくさんあるものです。

 

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 *個人的な考察です。すべての豆がこのような結果になるとは限りません。 

 

 

 

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深煎りコーヒーの甘さを愉しむ抽出 / スリーフォードリッパー

深煎りコーヒーの魅力は、甘さと心地よい苦味です。

深煎りコーヒーで失敗しがちなのが、ピリピリした渋味だけが出てしまいお湯っぽくなってしまうこと。

深煎りコーヒーを使うと液色が黒くて香りも重たくスモーキーなので、実は薄く入っていることに気が付かないことが多いのです。 甘みがしっかりと抽出されていないので、余計にピリピリとした渋味が目立つ味わいになります。

今回は深煎りコーヒーを使って、甘さと心地よい苦味を十分に取り出して、且つ後口の爽やかで香りが飲み終えた後も長く愉しめる淹れ方を紹介します。

新鮮な深煎りコーヒーは、含まれているガスが多く、かなり粉が膨らむので1~2杯用のドリッパーに2~4杯用のペーパーフィルターを合わせて使います。

*ペーパーフルターがドリッパーに合わない場合は写真のようにサイドの折り込みを大きくして調整します。

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使用するドリッパーはサンヨースリーフォードリッパーです。

以前に紹介した メリタ式と同じ1つ穴の台形ですが、リブのつけ方が少し違います。

またメリタはサイズに関係なく穴は一つですが、三洋スリーフォーはサイズが大きくなるにつれて穴の数が増えます。

 

液色は黒くてしっかり抽出されているように感じますが、深煎りのコーヒーはお湯の通りが速くなります。
苦味が出過ぎないようにと過抽出を心配して注ぎを急ぎたくなりますが、ここは我慢してゆっくりとコーヒーの成分を絞り出すようなイメージで抽出していきます。
今回はお湯を
蒸らし(ガス抜き)に 80g使い
1回目注湯で120g
その後は約30gずつ注湯しています。
キッチンスケールの上で注いだ量を確認しながら淹れると抽出が安定してきます。
ポイントは 
深煎り豆の場合は特に抽出を急がないこと
が大切です
うまく入ると心地よい苦味と香ばしさとともに、溶かしバターのような滑らかでコクのある食感に仕上がります。
今回は2人分の抽出ですが、1~2人用のドリッパーを使っています。2~4人用を使うよりコーヒーの粉の層が厚くなるため、甘みとコクをしっかりと取り出すことができます。
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今回のレシピ

材料

バレンタインブレンド: 28g・中挽き

湯:350ml ・85℃  出来上がり:270ml

今回使用した道具

cotta ドリッパーG-101 有田焼磁器製品

 

 

 

cotta ドリッパーG-101 有田焼磁器製品

メリタ フィルターペーパー アロマジック ナチュラルホワイト【2~4杯用 40枚入】PA1X2

 メリタ フィルターペーパー アロマジック ナチュラルホワイト【2~4杯用 40枚入】PA1X2

Kalita 細口ポット 0.7L

 Kalita 細口ポット 0.7L 

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 *個人的な考察ですので、器具を選ばれる際は相性の良いものをお使いください。 
 
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