ペーパードリップやフレンチプレスでご家庭でもレギュラーコーヒーを淹れられる方が増えてきましたが、意外に興味を持たれる方が多いのがサイフォンです。
当店でも「サイフォンで淹れるとどんな味になるのですか?」とか「サイフォンの抽出は安定性が高いと聞いたのですが。」と尋ねられる方がよく来られますので、
サイフォンについて簡単に説明します。
コーヒーの抽出方法は大きく分けて
- 透過式(ペーパードリップ、ネルドリップ、エスプレッソなど)
- 浸漬式(フレンチプレス、漬け置きの水出しなど)
に分かれますが、サイフォンは浸漬式の器具になります。
フレンチプレスの仲間ですが、サイフォンの大きな違いは浸漬中も加熱状態にあることと、ただ漬け置くだけでなく撹拌を行い抽出することです。
加熱しながら抽出することと撹拌することで、抽出にかかる時間が短縮できます。
(抽出時間はフレンチプレスだと3~4分ですが、サイフォンだと10から45秒です)
高温度帯で出現する香りをより多く取り出すことができ、また時間とともに薄れていってしまう香りの取りこぼしも少ない抽出方法です。
味わいの方はすっきりとした後口の、爽やかなコーヒーの仕上がります。軽やかな明るい酸と香りを愉しむのには良い抽出方法だと思います。反面、コクや複雑な甘さなどをしっかり取り出したい場合はサイフォンよりも抽出時間が長い器具の方が適していると思います。
抽出の安定性ですが、特にサイフォンが高いということもないと思います。
というのは、一般的にコーヒーの抽出は手数が少ないほど安定します。
例えばフレンチプレスは、豆の挽き方と量、お湯の温度と抽出時間をしっかり合わせればかなり高精度に抽出の出来上がりを再現できます。しかしペーパードリップは前述の要件の他に注ぎのスピードや均一性などの要件が加わってきますので、しっかり練習しないと何度淹れても同じ味わいになるという再現性は不安定になってきます。
ではサイフォンはどうかというと、豆の挽き方と量、お湯の温度と抽出時間の他に撹拌という工程が入り、また抽出時間が短いので手早く正確に作業することが必要になってきます。
浸漬式は比較的再現性の安定感が高い方法ですが、サイフォンは少し慣れが必要です。
逆に慣れてしまえば、安定感は格段に上がります。
基本の使い方
今回は1杯分140mlを淹れています
材料
作業手順
- しっかり下ボール(フラスコ)で湯を沸騰させる
- 濾過器をつけて湯通しした上ボール(ロート)にコーヒー粉を入れて下ボール(フラスコ)に差し込む
お湯が上がった直後のロート内
- 湯が上ボール(ロート)にあがったら撹拌する(混ぜすぎずしっかりガスを抜くことがポイント)
一度目の撹拌後のロート内
- 10秒から45秒置く。(水面が静止するように注意する)
- 熱源から離して再度撹拌する(濃度を均一にして、コーヒー粉に残っている成分を溶かし出すイメージで)
二度目の撹拌後のロート内
二度目の撹拌がうまくいくと、抽出滓がドーム型になり、下から大きい粉、小さい粉、微粉、ガスの層になります。
抽出後のロート内
今回使用した器具
BONAMC サイフォン TCA-2GD-BM
*ご家庭で使われる場合の熱源はアルコールランプでも可能ですが、火力調整ができるビームヒーターをおすすめしています。
サイフォン+ビームヒーター
今回使用した豆
ラヴニール ハウスブレンド
*個人的な考察ですので、器具を選ばれる際は相性の良いものをお使いください。
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